会計士受験生向けに企業法を紹介⑩
記念すべき第10回になりました。
ここまでやってきた感想ですが、
会計士受験生でブログを見てくれる方って少数だなーということです。
※号、節番号は漢数字のままです。
その他数字(条文番号等)は算用数字に変換しています。
第46条
第1項一 第33条第10項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第33条第10項第三号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
額の重要性が低かったり、額の客観性が高い等の理由で検査役の調査が要らない現物出資や財産引き受け等(第33条第10項1号2号)、専門家の証明で検査役の調査が免除された現物出資や財産引き受け等(第33条第10項3号)は、会社設立の登記前に設立時取締役の調査が必要です。
会社が設立してからこれらの調査をして、仮に何かしらの不都合が生じた場合は利害関係者が多数存在するために面倒が生じるからです。
第2項
設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
発起人が設立時取締役である場合でも、すべての設立時取締役が調査に携わるわけではないので不当事項について通知が必要です。
第3項
設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第1項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第48条第1項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
第47条
第1項
成立後も同様に取締役会の取締役の多数決で決定します。
第48条
設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
第1項
設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
イ 株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
ロ 株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
ハ 株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
二 株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
ホ 設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
第2項
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
第七節 株式会社の成立
第49条
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
登記所で設立の登記をすることで法人格(第3条)を付与されて株式会社が完成します。
第50条
第1項
発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
このあとは定款に別段の定めがない場合株主は自由に株式を譲渡でき譲受人は株主としての権利を株式会社に対抗できます。(第35条)
第2項
前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
会社の成立を期にこの株主となる権利(権利株は)株になります。
ではまた