公認会計士試験論文式受験生向け勉強方法 【後期】科目優先度
どうもこんにちは。
更新遅れました。大学4年のMなりです。
前回に引き続き、会計士試験論文の科目間の優先順位について実体験をもとに述べてみたいと思います。
公認会計士試験論文式後期
①租税計算、会計学(重要論点だけ)
②会計学理論
③会計学その他計算
④租税理論
⑤監査論
⑥経営学計算、理論
⑦企業法
1.租税法計算 会計学重要論点
後期といえどやはり重要なのは計算です。
しかし前期と違って、租税の重要度をあげて、それ以外の計算科目の重要度を少し下げました。
前回の記事で述べたように租税法は後半に高速回転させて実力を伸ばす人が多いですし、忘れやすい科目であるためこの後期に優先的に復習をしましょう。
復習すべきはもちろんAB論点
租税法に関わらずこの時期になると瑣末な論点(圧縮記帳や別表五)が気になるところですが、基礎固めに集中しましょう。
理由は主に2つ。
1つは、そんな論点に手を広げても試験に出る可能性が低い。
もう1つは、瑣末な論点は難しくて本番であせる結果結局答えることができないからです。
要するに、難易度や労力のわりに得られるメリットがあまりにも小さいからです。
そして租税法の計算と同じように会計学の重要論点(連結、企業結合、キャッシュフロー計算書)に関する問題も少しでもいいので毎日触れましょう。
これらの重要論点は、複雑であるがゆえに簿記の本質である仕訳とその仕訳がどのように反映されるかがわかるようになる論点なので、これらの論点が得意だと他の論点の復習をしやすくなります。(実体験)
実体験
私は他の受験生に比べて地頭も悪く、勉強量も低いといういいとこ無しの受験生でしたが、租税法と会計学重要論点の計算のおかげでなんとか合格することができました。
会計学の大問5の偏差点が65くらいだったおかげで合格したといっても過言ではありません。
2.会計学理論
会計学は300/700点を占める最重要科目なので理論も手堅く勉強すると安心することができるでしょう。
会計学の理論は理論科目の中でも出題範囲が広い科目です。そのため予備校が推奨してるA論点、B論点の中の)細かめの論点(実務指針)に手を広げるのも良いと思います。
もちろん基礎固めが終わってからですが。
会計学の理論は初見で全くアプローチの仕方が掴めない問題でも、今までに出会った関連問題を総動員したり、同大問の計算問題と照らし合わせたりすれば答えが見えてくる科目でもあります。
わからない問題でも落ち着いて考えて何かしら書く癖をつけましょう。
実体験
この科目は、毎日コツコツ触れることでだんだん成績が伸びる科目でした。
勉強を始めた頃は、偏差点40後半からのスタートでしたが予備校のテスト経験を重ねるにつれてじわじわ成績が伸びて最終的には科目合格レベル(偏差点56くらい)まで上げることができました。
会計学の理論は考えれば何かしらのことが書ける問題と、簿記の知識やや条文を使うだけで解ける問題がありますが、後者を確実に解答することで試験中に余裕が生まれます。
よってこの科目も優先順位は高く設定しました。
3.会計学その他計算
先ほど言いましたが、会計学の重要論点→会計学の理論というサイクルで勉強を繰り返せばその他の計算の時間を効果的にかつ、効率的に減らすことができます。
勉強方法の理想としては、全重要論点の解法や問題の問われ方の癖を頭の中で網羅的に反芻することができれば完璧です。
4.租税理論
ここで会計士試験論文式試験の勉強前期では優先順位が最も低かった租税の理論がこの重要度になりました。
勉強方法のおすすめは毎日5分でいいので条文の位置関係や意味をざっと確認することです。
租税理論は理論科目の中でも難解な言い回しが多いですが慣れれば高偏差点を取ることができます。
論文式試験の勉強後期くらいにまでなれば租税法の計算もある程度固まり、結果租税法の条文も読みやすくなるため得点源にしましょう。
実体験
租税理論でどうしてもわからない問題が出た場合は撤退すること(または適当に周辺条文を書き写すこと)をおすすめします。
たしかに租税理論は1問4点から5点と言われてるのでどうしても答えたい気持ちはわかります。
しかし第一に会計士試験は相対試験です。そのため難しい問題というものはほかの受験生にとっても難しいはずなので差が付きません。
そして第二に租税法は計算科目の比率(理論4:計算6)が重視されます。
理論問題を4点から5点、計算問題を1点として上記の比率で掛け合わせてみると、
理論問題は1.6点から2点、計算問題は0.6点になります。
これだけだと理論問題のほうが優先順位が高い気がしますが、
これは解答した理論問題の点数が満点だった場合の話です。
仮にわからない問題を何とか埋めて2点だった場合は0.8点から1点となり計算問題の0.6点と大差がなくなります。
これに対して計算問題は数字があってさえすれば点数が来るので、確実に点数を確保できます。
また一問あたりにかかる時間も計算のほうが圧倒的に少ないです。
もし難しい理論問題が残っていた場合は、無理に解かずに
簡単な計算問題の解答や見直しに時間を使う練習をしましょう。
5.監査論
監査論も勉強範囲は広げずに今までに勉強してきた知識や思考方法を上塗りしましょう。
監査論は一度、思考方法のフローをつかめば忘れにくい科目です。
監査論の基本的な考え方が理解できた人は、優先度は低く設定し、そうでない人は計算科目の次くらいに勉強量を増やしましょう。
実体験
私自身はこの科目の振れ幅が大きく、MAX20以上の開きがありました。
そして本番もあまり成績が良くありませんでした。
おそらく上で述べた『監査論の思考方法』がままならなかったからでしょう。
6.経営学計算理論
計算
経営学計算は、前期に繰り返し勉強していれば時間が経っても忘れにくくなります。
後期は、過去問などの応用問題に触れてみるのもいいでしょう。
理論
経営学の理論問題は直前により多くの単語を覚えたもの勝ちです。
そして実務ではほとんど役に立たないのであまり時間をかける必要はありません。
暇な時や移動時間に詰め込むという練習をしましょう。
実体験
経営学の理論問題は試験出題を担当する問題作成委員の裁量が色濃く反映されるといわれるため、範囲が膨大です。
また経営学は学問としてはまだ未熟なものなので(私的に感じるだけ)、正直『これは自分の道理に合わない。』といった理論も多く存在します。
理論科目は『なぜ?』などの理由付けと合わせて覚えるのが効率的ですが、この経営学の理論問題に関しては、あまり深入りせず無機質に覚えることをおすすめします。
企業法
企業法は守りの科目と言われています。
私は後期になったら企業法は一番勉強の優先度は低いと考えます。
企業法は間違ったことさえ書かなければある程度の点数が来ます。
条文や判例を覚えるというよりは、論の組み立て方や、条文の利用方法を覚えるほうが重要なので論文式の勉強後期はあまり時間をかける必要はないでしょう。
実体験
実は私は受験生時代、企業法の成績は一番安定していたので論文式試験の得点源にするため理論科目の中でもかなり時間を割いていました。
そして本番当日。正直偏差点50後半は行くと思っていました。
しかしふたを開けてみれば、たったの偏差点51
成績が良かったといえどそれは予備校の基準で採点された答案の出来が良かっただけでした。
企業法で好成績を望むのは危険な気がします。
最後に
まだ試験日まで4カ月近くありますが、この4カ月というのは長いようで短いです。
勉強をダラダラと続けていると、気が付けば試験まで残り1カ月、1週間となり焦ることになります。私も論文式試験の試験日がある8月にだらけてしまい勉強のペースを乱してしまいました。
結局毎日コツコツ勉強を続けることができる人が最強です。
私のようにならないように、先へ先へと、やるべき勉強を続けましょう。
そして復習も忘れずにこなしていきましょう。
以上しがない先駆者からの言葉でした。